STORY on bonobo

映画で考える-出会いは偶然か必然か?

2017.02.12 | 男と女 恋愛 SEX

著者:こにまゆた

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「リスボンに誘われて」
自殺しようとした女性を助けて結ばれる?なんて陳腐なラブストーリーではない。彼女が忘れたコートに潜んでいた一冊の本とリスボン行きの切符。彼女を救ったのはスイスのベルンで古典の教師をしているライムント(ジェレミー・アイアンス)、平凡で孤独な毎日に嫌気がさしていた彼は、本の内容に興味を抱き一路リスボンへ。誰でも現実逃避はしたいもの、秘められたドラマの謎解きもできるなら真っ先に飛びついてしまうだろう。

物語は、欧州最後の独裁政治ともいわれたポルトガルの民主化運動に、身をささげた本の作者アマデウの真の姿を追いつつも、訪ね歩くライムントの現在ともシンクロさせ、彼の恋愛下手で不器用な人生と、青春をかけたアマデウのセンセーショナルな人生とが対比されていてなかなか面白い。
もちろん原作の哲学的な部分も大切にされており、アマデウの本から劇中で紹介される言葉-“若い時は皆不死であるかのように生きる。死の自覚は紙のリボンのように我々の周りを付かず離れず踊るだけだ。それが変わるのは人生のどの時点だろう…”は、全編を示唆するような内容でとても印象的だった。知的好奇心を大いに刺激される大人の映画だといえるが、それ以上にすばらしいのは起伏に飛んだ街リスボンの美しさかもしれない。

余談だが最近のジェレミー・アイアンスは、人生に不器用な教授を演じることも増えているようだが、『戦慄の絆』 や『ダメージ』のような毒のある怪しい役にも再度チャレンジしてほしいものだ。

 

「セレンディピティ」
恋愛に限らず、素敵な偶然に出会うのは心ときめくもの。「セレンディピティ」の言葉にはこのような意味合いがあるようだが、映画では、クリスマスの買い物に来ていた男女が、一組しかない手袋をお互いに手にしたことから運命的なものを感じ意気投合する。それならとジョナサン(ジョン・キューザック)は5ドル札に、サラ(ケイト・ベッキンゼール)は本にそれぞれ連絡先を書いて古本屋に売り、後ろ髪を惹かれながら別れてしまう。赤い糸が繋がるかどうか試してみたものの無常にも数年の月日が流れて…。誰でも運命だと感じる出会いを経験したことがあると思うが現実は厳しい。私の場合は生年月日も年齢も同じ男性とは何も起こらず!?短いロンドン滞在中に地下鉄の中で目があった素敵な男性を、別の日にチャイナレストランで見かけるも、運命の歯車は動かず。普通はこんな感じだけれど映画の中だけでも奇跡の出会いにどっぷり浸りたい。

 


「リスボンに誘われて」

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