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ほうれい線よ、こんにちは。40代、加齢が気になるあなたにおススメの映画

2017.02.08 | 女子力アップ

著者:相山華子

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“女は冬、年を取る”
もしも私がコピーライターで、この時期に保湿クリームのコピーを書くとしたなら、迷わず、こう書きますな。だって、ホントに女は冬、年を取るんですもの。今冬も絶賛加齢中の私が言うんだから、間違いない。
 
カピカピに乾いた肌、深まりゆくほうれい線…。寒風にさらされた切り干し大根のように、シワシワとしぼんだ顔を鏡の中にみつけては、わが身の加齢におののく41歳の今日この頃でございます…。
 
それにしても、この国では最近、女が普通に年を取るのがすごく難しくなってるような気がしませんか?
私が子どもの頃ならば、40も過ぎてりゃ、もう立派な「おばさん」で、正々堂々とおばさん的な毎日を謳歌しても許されていたように思う。
けれども、今の40代には、なんというか、まだちゃんと女をやってなきゃ許してもらえないような、妙なプレッシャーがあるのよね。
雑誌やテレビにはシワひとつないツルっとした顔の「美魔女」なる皆さんが出てきて「今、47歳なんですが、娘と姉妹に間違われましたぁ~」だの「娘と洋服を共有してるんですよぉ~」だのと、のたまう…。なんだか「年をとっても若く見えること」が、1つのステイタスのようになっているんだよねぇ。顔にメスや注射を突き刺すことなく、シワもシミもひっくるめて生きていこうとしている身としては、なんだか自分がひどく損をしているような気がして心がザワザワ…。
 
誰かに心無い一言を言われたりして、年を重ねることがものすごく悲しく思える日も、ありますよね。
 
 
そんな40代のザワザワ女子の皆さんに、ぜひお手本にしていただきたいのが、映画「男はつらいよ」で主人公・寅さんの妹・さくらを演じる倍賞千恵子さん。
 
1941年生まれで、現在74歳だそうですが、「さくら」として寅さんシリーズ第1作「男はつらいよ」(1969年)に出演した当時は、まだ28歳。息をのむほどの美貌です。ふっくらとした頬、シワひとつない美肌がまぶしい~!
しかし、さくらの一人息子・満男が中学に入学する第33作「夜霧にむせぶ寅次郎」(1984年)あたりから、倍賞さんにも年相応の変化が表れ始めます。そう、倍賞さんは28歳で第1作に出てから、95年の「寅次郎紅の花」までのシリーズ全48作に、通算26年もの間、出演し続けたんですね。
後に夫となる博の告白に頬を染める娘時代のさくら、満男を抱く若い母親としてのさくら、就職活動に失敗して家出した満男の身を案じる中年のさくら…、倍賞さんの実人生とほぼ同時進行で、さくらも年を重ねていきます。
 
倍賞さんほどの大女優なら、若く見せるための「あれやこれや」もできたはず。でも倍賞さんはシワやたるみも隠すことなく、さくらという役を通じて、地に足のついた一人の女性が普通に年を重ねてゆく姿を、私たちに見せてくれる。その表情の一つひとつが、なんと自然で美しいことか。ああ、これが当たり前なんだ、普通に素直に年をとればいいんだなあ…って倍賞さんを観る度に思うのです。(最近では、2014年公開の「小さいおうち」で主人公・布宮タキの晩年を演じた倍賞さんも、すばらしいのでぜひご覧あれ!)
 
ちなみに「男はつらいよ」では、故・三崎千恵子さん演じる寅さんの「おばちゃん」も必見。もはや天然記念物並みの「ザ・おばさん」的存在として描かれているのですが、よくよく観察してみると、意外にも所作やセリフが実に女っぽい。この人の年の重ね方もまた、ものすご~く勉強になるのであります。
映画館に新作を観にいくのもいいけれど、もう1度ゆっくり寅さんを観て、疲れた心に栄養補給ってのもいいなあ。笑いすぎて、笑いジワ、また増えそうですけどね…(涙)。


「男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎」

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「小さいおうち」

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「男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎」(C)1984 松竹株式会社
「小さいおうち」(C)2014「小さいおうち」製作委員会


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