STORY on bonobo

誰かからのサインかも?見えるはずのないものが見えるとき

2016.12.19 | 心によい話

著者:田子みどり

mein

世の中には、現世で見えるはずのない存在が「見える」人がいるらしい。目には見えないけれど、気配を「感じる」人はもっと多いらしい。私には見えないし、感じもしない。でもひょっとしたら無意識のうちに、「見ない」ように「感じない」ようにしているだけなのかもしれない。そう思っている人は、多いのではないでしょうか。
 
『シックス・センス』(1999)は、自分が「見える」ことに怯えて心を閉ざす8歳の少年と、彼の心を開こうとする小児精神科医の映画。ブルース・ウィリス演ずる精神科医もまた、過去に治療した患者の銃弾に倒れ、それをきっかけに妻との関係にも溝ができ、心に深い傷を負っています。

少年に「見える」姿は、みな凄惨で何かを語ろうとしてきます。精神科医と少年が心を通わせ、それがなんなのかを探っていくうちに、精神科医自身も立ち直ろうと努力します。そして、少年が自身の存在の意義を知り行動を起こすとき、暗かった場面は精気を取り戻し、感動と驚きの結末!ホラーが苦手な私でも、お気に入りの映画です。
少年を演ずるハーレイ・ジョエル・オスメントの演技がいかにも繊細で、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされるなど、天才子役と名を馳せたことでも話題になりました。
 
同じ「見える」映画でもファンタジーなのは、西原理恵子原作の絵本を映画化した『いけちゃんとぼく』
主人公である9歳の少年ヨシオには、ほかの人には見えない不思議な生き物「いけちゃん」が見えます。いけちゃんは、どんな時でもヨシオを見守り、ヨシオが悲しい時やつらい時は寄り添って慰め、女の子と仲良くするとやきもちを焼いて真っ赤になって怒り出す。でも、少年時代に別れを告げるといけちゃんの姿も消えてしまい…切ない切ないストーリーです。西原理恵子の息子の落書きから生まれたという、いけちゃんの声は蒼井優、若手の中で好きな女優さんです。
 
考えてみると、日常の中にも、自分の力を超えた何かに助けられたような気がしたり、空気が変わる瞬間を感じたりすることがあります。ひょっとしたら、そのとき傍に誰かがいるのかもしれない。そして私たちに何かを伝えようとしてくれているのかも。「頑張れ!」っていう神様が励ましてくれているのかもしれないし、天国にいる祖父母が「ちょっと休みなさい」って言ってくれているのかもしれないな。

でもそれが何なのかを知ってしまうのは、ちょっと怖い。だからシックス・センスのような能力は身につけたくない。でも、いけちゃんだったら見えてもいいなあ。寒い冬の夜、イケちゃんと一緒に熱燗でも飲みながら、遠い子ども時代の思い出話でもしてみたい。


「シックス・センス」

content-pc-main-large-000000711


「いけちゃんとぼく」

content-pc-main-large-000001152


「シックス・センス」(C) Spyglass Entertainment Group, L.P. & Hollywood Pictures
「いけちゃんとぼく」(C)2009「いけちゃんとぼく」製作委員会


最新一覧
月別一覧
カテゴリ