STORY on bonobo

人生をかけて人間力を表現し続けた二人のアーティスト

2016.12.08 | 過去を学んで未来をみる

著者:こにまゆた

content-pc-trailer-xlarge-000005343

『Pina /ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』
 
悩み多き現代社会を生きる私たちに訴えかける圧倒的なパフォーマンス。ダンス界のカリスマ、ピナ・バウシュの舞台は常に刺激的だ。危うい男女間の愛憎や欲望、悩みや悲哀、残酷さや非情など、人が生まれ持っている根源的な感情を言葉に頼らず、肉体だけでどこまで表現できるかに挑戦し続けた人かもしれない。さらに、さまざまな人種や性、そして年齢をも超えて縦横無尽に踊るダンサーたちの多様性を背景に生み出されるエネルギーに、限界がないようにも感じられる。
 
監督のヴィム・ベンダースは長年、彼女の友人だったそうだが、映画では過度な演出を排除して、オムニバス的な映像をつなぎつつ、生きることへの絶望感と希望を交錯させるパフォーマンスで最後まで観客を魅了させる。
 
残念ながら、もう彼女のライブを見ることはできないが、多大な功績をダンス界に残したピナ・バウシュ。ダンス・パフォーマンスにあまり詳しくない人にも是非見てみてもらいたい作品。
 
 
『セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター』
 
誰しも一度目にしただけで脳裏に焼き付いて離れない写真があるはずだ。私にとってそんな一枚が難民となったトゥアレグ族の“盲目の女性”の写真だったような気がする。
セバスチャン・サルガドは、ブラジルに生まれ、数多くの賞を受賞した後も影響を与えつづける世界的な報道写真家であり、環境活動家でもある。若い頃から世界中を旅して、民族紛争、過酷な労働や貧困などに焦点をあて、社会に翻弄される人々に温かいまなざしを注いできた。そして“神の眼”とも呼ばれる奇跡的な構図やモノクロを基調とした荘厳なまでに美しい作品を生み出すことになる。画面を通して見るだけで思わず涙が溢れそうになる作品ばかりだ。
 
数々のドキュメンタリーを世に送り出してきたヴェンダース監督が、今回は波乱に満ちた一人の写真家の足跡を家族と共に解き明かしていく。各国の映画祭で絶賛された映像美は感動もの。


「Pina /ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」

content-pc-main-large-000005343


『Pina /ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』(C)2010 NEUE ROAD MOVIES GMBH, EUROWIDE FILM PRODUCTION


最新一覧
月別一覧
カテゴリ