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人間の業や情の本質をヤクザ映画から学ぶ

2016.11.04 | 男気アップ

著者:こにまゆた

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「仁義なき戦い」

1970年代にヤクザ映画の概念を変えてしまった深作欣二監督の出世作。女性にとっては苦手なジャンルかもしれないが、この映画を初めて見てファンになってしまった人も多いはず。それまで高倉健などが主演した任侠映画は、義理と人情をベースにした形式美の様相を呈していて、見ているうちに筋書きがわかってしまうものも多かったが、これは全く結末の見えないスリリングな展開が続いていく。ギャングやマフィア映画の金字塔といわれるゴッドファーザーにも匹敵する面白さだ。

冒頭から流血シーンを彷彿させる毒々しい赤のタイトルとじわじわ迫る音楽が本編への臨場感をそそる。そして戦後の闇市や愚連隊から生まれた広島最大のヤクザ組織の跡目をめぐる凄惨な抗争がダイナミックに描かれていく。この映画を製作するにあたっては、映画会社が実在するヤクザに直談判して実際の抗争を脚本に役立てたそうだし、主演に起用された菅原文太自身も広島弁と共にヤクザの所作を猛特訓したそうだ。その甲斐あってか、彼が演じた主人公、広能の眼力の強さと“じゃけん”連発の広島弁は随所に生かされ、手持ちカメラで捉えた映像は血生臭い殺しのシーンすら美しい。裏社会とはいえ、彼らの泥臭い生き様は今でいうハングリー精神の変化形かもしれないが、彼らのむき出しな感情のぶつかりあいに、人間の業というより強い生を感じてしまう程の作品。
ヤクザな映画をアートの域にまで昇華させた深作欣二監督の偉業を称えたい。

「レオン」

リュック・ベンソン監督と共にハリウッド進出で大ブレイクしたジャン・レノ出世作。
「ブラックスワン」で妖艶なバレリーナを演じたナタリー・ポートマンがこんなにも可愛い少女だったなんて想像できない感じだが、人との関わりを捨てた殺し屋が少女を救ったことである感情が芽生えてくる。殺し屋としての孤独と愛情との葛藤が切な過ぎて感動的だ。監督は「ニキータ」の掃除屋をイメージして脚本を進めたそうだが、映画の冒頭は
ジョン・カサベデス監督作品「グロリア」と類似している事から、尊敬する監督へのオマージュ作品なのではないかと勝手に解釈している。


「仁義なき戦い」

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「仁義なき戦い」C)東映


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