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トム・ベレンジャーが嫌いだった。

2016.06.04 | 過去を学んで未来をみる

著者:高須慶

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親父と初めて見た映画は「プラトーン」だった。
果たして本当に初めてかは正直分からない。
けれど記憶の中で、親父と一緒に見たことを思いだすのは後にも先にもこれだけだ。
だから鮮明に思い出す。
小学校4年生の頃、日曜ロードショーで、つまりは家のTVで一緒に見た。お袋はなぜかその日いなかった。
その時私は、軍曹と2等兵の違いとか、少尉と少佐の違いとか、そういった軍隊の階級は無論、そもそもそんな言葉さえも知らなかった。
それを丁寧に親父は教えてくれた。
私は映画に夢中で上の空で聞いていたからすぐには覚えられず、映画の最中やCMごとに何度も親父に聞いていた。それを親父は嫌な顔一つせず、笑みを浮かべながら教えてくれた。
そう、親父はあのときずっと笑顔だった。ほんとうに楽しそうだった。
結局私は半分も覚えられなかったが、それでも少し大人になった気分だった。
それと同時にウィレム・デフォーが可哀そうでならなかった。

先に述べた通りその後、親父と映画を見たことは、ない。
だから最初で最後の親父との映画鑑賞が戦争物だったこともあり、私は強烈に戦争映画が好きだ。
親父は戦前生まれ、その影響もあるのかもしれない。
あの頃は聞こうとする発想さえ浮かばない年齢、今思えば、戦時中の話しを少しでも聞いておけばよかったなぁ。
本当にむさぼるように多くの戦争映画を、見た。
「戦場のメリークリスマス」はビートたけしの笑顔と曲が強く記憶に残った。
「ビルマの竪琴」は戦争のつらさを知り、とにかく泣きじゃくった。
「フルメタル・ジャケット」では戦争の悲惨さを痛感し、「プライベート・ライアン」では本物の戦争を体感し、そして最近の作品「フューリー」では勝者と敗者の違いを改めて知り…。
それぞれ時代は違うし場面も異なるが、どんな戦争映画を見ても必ず親父とのやりとりを思い出す。

親父、今週末お墓参りに行くよ。


「フューリー」

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「フューリー」(C)Norman Licensing, LLC 2014


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