STORY on bonobo

ディズニー映画で心を育てる

2016.07.09 | 子供によい映画

著者:土屋晴乃

content-pc-trailer-xlarge-000008392

先日、娘と映画デートをしてきました。以前から娘が観たがっていた『ズートピア』を前情報なしで鑑賞。正直、子供向けの映画だと高を括っていたので、ポップコーン片手にお気楽に鑑賞するつもりが、その質の高さ、内容の濃さに、ポップコーンを頬張る手が止まりました。ディズニー映画史上でも、近年稀に見るほどメッセージ性の強い、琴線に触れる傑作で、4歳の娘がどこまで理解できたのか定かではありませんが、折りに触れて、何度でも子供たちに観せたい映画のひとつになりました。

動物を擬人化して、現代社会に蔓延る問題点を風刺し、作品中に大切なメッセージを散りばめる手腕は、ディズニー映画お手の物!

この作品を観た後、いかに私たちが潜在意識のレベルで差別や偏見の中に、日々身を投じているかということがよく分かりました。ネタバレになってしまうかもしれませんが、“ウサギは可愛くて弱い生き物だ”とか、“キツネは化かす”だとか、“肉食動物は凶暴だ”…とか、その先入観たるや、枚挙にいとまがありません。それぞれの動物に対するイメージは既に観客の固定観念として存在し、その上で映画を観ています。

この作品は、私たちのそういった固定観念、偏見、差別を巧みに利用し、まずそれに気づかせることからスタートします。そして、それらをかなぐり捨てることで、新しい世界が開かれ、新しい価値観が生まれ、思わぬ発見や面白い側面に気づくはずだ…ということを示唆しています。

久々にディズニー映画の底力を見せつけられました。子供だけでなく、大人の心さえも育ててくれるディズニー映画は、もはや娯楽の枠を越えて、道徳教育そのものですね。

そんなディズニー映画の生みの親、ウォルト・ディズニーの名が邦題についた映画『ウォルト・ディズニーの約束』も気になって、最近鑑賞した1本。この作品は、名作映画『メリー・ポピンズ』の誕生秘話で、原作者のP.L.トラヴァースを20年の歳月をかけて説得し、映画化に漕ぎ着けたウォルト・ディズニーとトラヴァースの逸話をもとに描かれています。

ウォルト・ディズニーにスポットが当てられているわけではなく、あくまでもトラヴァースが主人公の作品で、彼女の頑なで扱い難い気質や生い立ちにフォーカスし、なぜ20年間も映画化を拒否し続けたのか、彼女の心の闇がつまびらかになっていく様子は見応えがありました。

ディズニーの世界観を毛嫌いし、ディズニーの掲げる夢や魔法は『子供騙し』と一蹴するアンチディズニーのトラヴァース。ディズニー映画にも関わらず、ウォルト・ディズニーを神格化することもなく、そんな“アンチディズニー”の視点もしっかり踏まえ、中立の立場での作品作りは見事です。

ただ、人には1つや2つ、他人には触れられたくない領域があるはずで、トラヴァースが自分の生い立ちの中で、心の奥底に押しやって封印したものをウォルトが引っ張り出そうと躍起になる描写には、個人的に少なからず抵抗を感じましたが、それほどまでに観客の心を乱す力を内包した作品と言えるはず。

ウォルト自身の子供時代のエピソードや彼のミッキーマウスへの深い愛情も垣間見られ、新鮮でした。こちらは断然大人向けのディズニー映画と言えそうです。

ディズニー映画を興行重視の子供向けアニメやおとぎ話と侮るなかれ。実に奥深く、素晴らしい気づきを与えられると思います。クサクサした心の栄養剤として、週末の息抜きに、ディズニー映画を処方します☆


「ズートピア」

content-pc-main-large-000008392


「ウォルト・ディズニーの約束」

content-pc-main-large-000000632


「メリー・ポピンズ」

content-pc-main-large-000000630


「ズートピア」(C)2016 Disney 「ウォルト・ディズニーの約束」(C) 2015 Disney 「メリー・ポピンズ」(C) 2015 Disney


最新一覧
月別一覧
カテゴリ